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”一歩を制する者は卓球も人生も制する”<その2>

更新日:2020年4月22日

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健康卓球リハトレ1 はじめの一歩のための基礎トレ

整形外科・リハ医の佐藤務先生が開発した、健康卓球リハトレの基礎トレーニングとなる名付けて“イチロースクワット”。1歩の蹴り出しが早くできれば、卓球上達はもちろん、転倒予防にもつながります。


1歩を制する者は、卓球も人生も制する

まず、「1歩」の重要性を認識してください。その1歩が転倒を防ぐこともあれば、転倒を引き起こすこともあります。そして、卓球でも日常生活でもまず、あらゆる方向への1歩が求められています。通常の前後左右のトレーニングでは不十分で、全方向性のトレーニングが必要です。

また、集中力と持久力の維持には、体力温存、筋力温存が必要です。そのためには、無駄な筋肉を使わないための重心移動の体得が望まれます。意識としては動きたいポイントへ重心を乗せていく感覚です。きちんと重心移動ができないと重心にズレが生じ、それをさまざまな足の筋力でカバーしなくてはならなくなります。正確な重心移動を身につけるために、まず意識することから始めましょう。



はじめの1歩のための基礎トレ。

内転筋トレーニング、名付けて“イチロースクワット”

イチロー選手が打席に入る前に足を広げて、股関節や膝をぐるぐると曲げている姿を見たことがありますよね。あれは、ボールを打つと同時に1歩を踏みだして走り出すための準備なのです。この1歩に大切なのが踏み出す足ではなく、蹴り出しに必要な対側の内転筋、太ももの内側の筋肉です。内転筋のトレーニングは、変形性膝関節症やO脚の改善にもつながります。


内転筋を鍛えて早い蹴りだしと体力温存をめざす

卓球では、左右の球に対して3つの移動方法があります。例えば右にボールが来た場合、近ければ足は動かさずに重心だけ移動します。少し遠いところであれば、右足を動かします。さらに早く遠い球に対応するためには、左足で右方向に蹴りだして重心と右足を早く動かすことが必要になります。ふだん外股で構えることが多い卓球の場合、意識して内転筋を鍛えると対足の1歩の蹴りだしが早くできるようになり今まで追いつかなかった球に対応可能になるだけでなく様々な筋肉を適時に使いまわすことにより体力を温存することにもつながります。


イチロースクワット(内転筋トレーニング)

イチロースクワット(膝すぼめスクワット=内転筋トレーニング) のトレーニングです。

【イチロースクワットが有効と考えられる競技】

卓球、テニス、バトミントン、バレーボール、自転車、スキー、スノーボード、ボクシング、バスケットボール、剣道、柔道、空手、野球、ソフトボール、サッカー、ラグビー、ホッケー、アイスホッケー、ボーリング、アイススケート、相撲、ダンス、ゴルフなど

【イチロースクワットが有効と考えられる疾患】

変形性膝関節症、変形性股関節症、腰部脊柱管狭窄症、側湾症、ロコモティブ症候群、サルコペニア、骨粗鬆症など


<やりかた>

①両足の幅を肩幅よりやや狭いくらいに立つ 

②つまさきと膝はやや内向きにする

③ 左右の膝がつくように屈伸する

両足の幅が広くなると負荷が大きくなります。足幅は各自で調節します。


重心移動を意識する“健康卓球リハトレ”

短時間でラリーを繰り返す卓球では、1つの動作が終わると同時に次の動作の準備が始まります。具体的にはスイングが終わった態勢が、はじめの構えの姿勢になるのが理想的です。そのために重要なのが正しい重心移動です。

健康卓球リハトレは、プレー中に正しい重心移動をするために、重心移動を意識してからだを使うトレーニングです。左右(3時と9時)と前後(12時と6時)の体重移動の基本形をマスターすれば、1時や10時の方向でも正しくからだを動かせるようになります。

次回は、動画“健康卓球リハトレ 基本編”を配信します。乞うご期待。



健康卓球リハトレは、転ばないからだづくりの第1歩

健康卓球リハトレの後方への重心移動では、上半身はやや前掲になっています。こうすることで、重心はからだの中心となり、後方へ転倒することを防げます。足元がすべって前後に足が開いた時を想像してみてください。上半身を自然に前傾にすることができれば、転んで頭をうつことは免れます。

健康に楽しく卓球を長く続けるためにも、将来の転倒・骨折も予防する健康卓球リハトレを今日からトレーニングに取り入れてみてはいかがでしょうか。


 
「健康卓球」に賛同し、整形外科・リハ医の視点で卓球の魅力を解明する佐藤 務 先生

佐藤 務(さとう つとむ)先生

稲毛病院 整形外科・リハビリテーション科/健康支援科部長/地域連携室室長

1991年国立宮崎医科大学卒業。都内民間病院にて、内科・外科・整形外科・麻酔科・ペインクリニック・透析・漢方・鍼灸・救急・在宅医療と幅広い研修を積む。1995年より稲毛病院整形外科勤務、漢方肥満外来、ビタミン外来、健康支援科を併設し、治療だけでなく予防・ケア・看取りも含む総合医療を展開。


 
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